このブログは快快 / FAIFAIメンバーが週1ペースでお送りしてます。

2012年8月19日日曜日

快快新作「りんご」に向けての声明文

世界のみなさまこんばんは!快快のりのです。
真ん中のお財布がわたしです↑

今夜は快快を代表して、
みなさまに我々の新作「りんご」に向けての声明文を発表するという、
大役を任命されました。少し長いですが、読んで頂ければ
我々が、久々のそして最後の創立メンバー全員でつくる新作に対する
wonder
を感じて頂けると思います。
では、
どうぞ!!!!!!!!!!









「りんご」公開リーディングが終了して
1週間以上が経ちました。
いまさらながら、
お越しいただいたみなさま、
ゲストトーカーのみなさま、
USTREAM中継をご覧いただいたみなさま、
ありがとうございました!


私たちが公開リーディングをおこなったのは、
9月の「りんご」本公演に向けて創作過程をあえてオープンにし、
様々な意見を吸い上げ、台本精査をおこなうためであり、また、 
舞台表現の可能性という無限に広がる宇宙の中で、
いつのまにか心に浮かんではどんどん大きくなる、

私たちは今いったいどこにいるだろう?
どうしてつくらなければいけないんだろう?
どうして東京でつくらなければいけないいだろう?
ここにはいったい誰がいるんだろう?
わたしのいたい場所は、ほんとうの故郷はどこだろう?

という疑問を観てもらうみなさまにも自分たちにも問いかけ、
より多くの人の率直な意見をいただくことができれば、
この場所で辿ってきた道や、これからの進むべき道も見えてくるのではないか、
と思ったのです。

厳しいご意見もあった中で、快快は
9月までどのように稽古を進めていくべきか全力で話し合い、
私たちが出した結論は

「たとえどんなバカや明日死ぬ人がみにきても太刀打ちできて、2000年後の生命にも訴えかけるような、太陽のようなめちゃ強い作品にしたったるわ」

というマッチョなものでした。

「今までみんなを騙していたけど、結局東京でいちばんまじめに頭良くカルチャーぶってたのって私たちだったのかもしれなーい(泣)」

「結局大工さんとか銀行員とか首相とか犬とかが見に来てくれない時点で終わってるよね」

「こんなにお金ないのにこんな物価の街で衣食住あるだけでちょう神秘って感じ~」

「俺の高校のときのあだ名?ゴリさんだよ」

というようなとりとめのないミーティングの中で、私達にはわかったこと、
そしてみなさまにお伝えしたいことがあり
ここに
東京への怒りのrhyme
2000年後の未来へのノスタルジーについての演説
として、記させて頂きます。

まず、想像してみてください。

常に頭の上に大きな岩が吊ってあって、
ちゃんと吊ってあるように見えるけど、
でもほんとはいつ落ちてくるのかわからない。
そんな世の中を。

想像してみてください。

フリードミューンで金髪のTKが
1万6千人をbe togetherさした結果の、
義援金の額がたったの約260万円の世の中を。

え~そんな世の中ってさいって~って思ったそこのあなた。

これがまじで東京の現状なんですよ。
劇場来てる暇あったらまじでAIDS検査行けって話なんですよ。

想像してみてください。

週末の渋谷駅の上からスクランブル交差点をみると、
みんなとみんなの脳みそが一瞬溶け合って、
みんながまったく同じことを考えている一瞬がある。
それが気持ちよくて、
誰もあの交差点をわたるのがやめられないわけでしょ?

でももしもやめることができたら?見てみたくないですか?

誰もいない東京を、
誰もいない新宿駅を、
誰もいない雷門を、
誰もいないラフォーレを、
誰もいないスクランブル交差点で
向かい合った信号だけが点滅で会話をする。


大好きだよ
わたしも

と。

そんな東京で、私は一度だけでいいから
好きな男の子とデートがしたいです。
東京全部をふたりのおうちみたいにして、
スカイツリーに帽子をかけて、
東京湾で身体を洗って、
皇居の御所でセックスしたい。
そんなちっぽけな日本人女子の希望にさえ
ちょっとちょっととか言っちゃってるあなたに、
毎日レイプされている、
どこか外国の女の子の気持ちがわかるんですか。

神は死んだジョブズも死んだ、
ホーキング博士は天国はないと言った。
信頼してた担任の先生はうちのママとやっていた。
胸を揺さぶる権利があるのは、広島の原爆資料館と
福島のお母さんたちだけなんですか?

一度地獄を見ないと、真実に触れてはいけないんでしょうか?

もう一回信用したい。
もう一回ここを愛したいです。
ここが永遠に私の故郷だから。

わたしはこの暑い8月15日の終戦記念日の日に、
次の世界大戦が起こったあと、
人間が一人もいなくなった2000年後の世の中で、ネズミ達が会話するのを想像する。

<以下ねずみ2匹の会話>


その頃は思想や社会がずいぶんと幅をきかせた世の中だったけど、
誰もいなくなっちゃったわけだね

でもぶっちゃけ人間が一人もいないなんて、海の中では当たり前の事なのに

よいしよいしょよいしょ  <2匹は何か運んでる>

ほんとの世界平和を願うなら、自分の子供だけは助かるようにっていう考えは捨てなきゃいけないよね。

あーそれが誰もできなかったから、みんないなくなったのかーなんかほんと君いろいろ知ってて尊敬するー

歴史に興味があるんだ、まじ歴史ちゃんと勉強してたら間違うことってまずないのにみんなバカなんじゃねーのって感じ

でもさー時々意味わかんなくなっちゃうんじゃない?生き物って、意外と単純だから、恋とかするとさ?

あのさー男女の違いなんてもう生まれて3日くらいで歴然としててそれって遺伝子レベルだからさ、その違いを乗り越えようなんてまじで海に潜って息するようなもんだよ

そうなんだーえーでも好きって思ってドキドキして何も手につかないっていう日もあるけど?チュー

え!おいおい何のこと?!チュー!

好きチュー

えーーーーー。。。ぼくもチュー

チューチューチューチュー。。。。。

<ねずみの会話終了>

<ネズミたち運んでいた2000年前の古いAirMacをほっぽり出して穴の奥にしけこむ
ほっぽり出された古いAirMacがiTuneを起動、しゃべりだす>



えー
もうすでに天国にいる全人類のみなさん、お元気ですか?
今から2000年前の2012年9月、
快快の新作「りんご」では、
私達は全身全霊でバカになりました。
最終的には神奈川や東京や日本や世界を飛び越えて、
時の各国首相や世界の重鎮たち、有名なラッパーや、世界で1匹しかいないような動物や火星人、近所のおばさんなども
「りんご」を一目見ようとKAATに集まり、
みんな爆笑して涙もしました。
それほどに、
人類にとって大きな問題提起をした作品だったのです。

私たちは人間の文化、
つまり智を司る女神であり、
世界の輝きだったのです。
最後にはたくさん泣いて笑って
世界中の喜びと悲しみに感謝しました。

なぜならその方法が、
2012年当時いちばん美しくて、
いちばんすてきな
生と死への感謝の方法でした、
けれども2000年たったいま、
その方法は変わっていますか?
もしこのメッセージを受け取った
生き物がいたのなら、
どうか2000年後の感謝の方法と
喜びを教えてください。
私たちのこのメッセージが、
どうか2000年後の生命にも届くことを祈って、
このメッセージを終わります。




以上。



最後まで読んで頂いてありがとうございます。
9月新作公演「りんご」へのみなさまのお越しを
快快は心よりお待ちしております。



2012年8月19日
快快
文章:大道寺梨乃
(パフォーマー/海外企画担当)

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